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意外と多い!?現場への駆け付け回数

中部電気保安協会、上半期600回超え

発電事業者にとって、太陽光発電所の稼働は終わりではなく、20年に亘る売電事業の始まりだ。O&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)が重要な業務となるのはいうまでもない。では、設備トラブルはどれくらい発生し、実際に現場に駆けつけるものなのだろうか。

その一つの参考となるデータがある。表を見てほしい。中部電気保安協会(名古屋市中区、石田篤志理事長)が保安業務を請け負う出力50kW以上の太陽光発電設備の事故出向件数と内容、その原因である。今年上半期の出向件数は合計で624件。8月に至っては、200件を超えた。

電気保安法人である同協会は、電気主任技術者の外部委託先として、太陽光発電設備の保安業務を請け負う。事業エリアは、中部電力管内である。

14年9月末現在で同協会が保安業務を手掛けている太陽光発電設備は、すでに保安業務を請け負っている需要設備や、その同一敷地内に付随して設置されている案件なども含めて2096件。そのうち50kW以上2MW未満の設備が1115件。地上設置や屋根貸し事業といった太陽光発電単独の設備は506件に及ぶ。

「保安業務を手掛けるなかで、出向件数は意外と多い。なかには、同じような事象が繰り返して発生し、1日に数回行くケースもある。夏場が特に多くなっているのは、雷雨や台風といった気象条件に起因したもの。太陽光発電設備は、パネルや架台の種類が豊富で、工法も様々。まだまだ実績も少ない。我々としても知見を重ねているところだ」(保安部の橋本圭一課長)。

同協会は、発電所の竣工検査も行っており、そこで不具合を発見することもある。最も多いのは、ケーブルの接続ミスだという。

「パネルの直列枚数が違っていたり、(プラスマイナスの)極性が間違っていたり、初歩的なミスが大半。それ以外にも、設計図面の見直しを反映できていなかったり、PCS(パワーコンディショナ)の系統連系保護装置が未設定だったり。初期の施工不良や製品不良を見つけ出し、確認するためにも竣工検査は必要だと思う」(同)。

様々な点検や保安業務を担う同協会では、点検の高度化を目指している。例えば、自律型無人飛行ヘリコプタを活用した点検手法。赤外線熱画像カメラを搭載したヘリで、大量のパネルを一度に同時撮影するもので、千葉大学と共同で実証を進めている。

橋本課長は、「作業の効率化で、コスト削減にも繋がるはず。それとデータとしてライブラリ化していくことで、経年での管理にも役立つと思う」としたうえで、「外部委託時の基本サービスや、スポット点検時などのオプションとして提供できれば。遅くとも来年度初頭には正式導入したい」と語った。

なお、同協会は、保安管理の対象外である50kW未満に対しても、遠隔監視と緊急時の出向対応を組み合わせたサービスを提案。初期投資はゼロで、年間使用料も10万円以下(税抜)に収まる点が特長だ。これまでの契約件数は約130件。

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