シンフォニアテクノロジー、自律走行パネル掃除ロボ発売
3月までに150台出荷へ
航空機用電源システムメーカーのシンフォニアテクノロジー(東京都港区、武藤昌三社長)は、10月20日より自律走行式の太陽光パネル掃除ロボットの販売を開始した。2013年11月に1号機が完成して以降、実証試験などを行って改良版を開発、量産化に踏み切った。主に大規模太陽光発電所向けに、15年3月までに150台の販売を目指す。
同製品は自律式で、センサーで位置を検出しながらアレイの上を走行する。パネルは表面に白線のある単結晶・多結晶シリコンパネルが対応。同製品には2.7リットルの洗浄水タンクが搭載されており、カバー内部で洗浄水を散水しながら、回転ブラシとワイパーでパネル表面の汚れや、鳥の糞などを落とす。
製品は縦545×横670×高さ173㎜で、洗浄水タンクが空の状態で20㎏以下と、人の手で持ち運べるのも特徴だ。当然、設置工事は不要だ。
ゴムクローラによる走行で、角度、段差のあるパネルの上も走行可能。パネル間隙間縦方向30㎜、横方向50㎜まで走行でき、段差はプラスマイナス10㎜まで乗り越える。パネル斜度5~20度まで対応し、パネル最上部から順に清掃しながら下に降りてくる仕組みだ。
リチウムイオンバッテリー内蔵で、満充電状態からスタートすれば約5時間駆動する。バッテリーの取り換えも簡易で、所要時間は数分程度。洗浄水やバッテリーが切れると、自動で最下点まで戻り、水の補給やバッテリー交換をした後で元の場所に置くと自動で清掃途中箇所まで戻り、清掃を再開する。アンドロイド端末で水切れやバッテリー残量が確認できるため、常時人が付いている必要がない。1時間で最大100㎡ほどの清掃能力となっている。
同製品の開発経緯について、同社新事業企画部の爪光男部長は「全量買取り制度が導入されて以降、太陽光発電所の建設が相次ぎ、今後はパネルの清掃に対する要求が出るだろうと想定し、13年3月より開発を始めた」と語る。
その後、13年11月に1号機が完成してからは、同社グループ会社で太陽光発電所の建設などを行うシンフォニアエンジニアリング(三重県伊勢市、加藤一路社長)が施工した発電所など10ヶ所ほどで実証試験を行った。5月よりグループ会社向けに販売を開始。試験を重ねた。試験の中で浮き彫りとなった改善点から改良品を開発、このたび一般顧客向きに販売を開始した。「1号機は水を製品の前面から出していたが、強風などで水が飛ぶなど問題が起こり、製品の内側で出すようにした。また時間設定も汚れに応じて30分、60分、90分と3段階に設定できるようにした。タブレットでの監視機能を付与した点も改良点の1つ」(爪部長)。
同製品の本体価格は148万円(税別)。シンフォニアテクノロジーの豊橋工場で製造する。商品名は「RESOLA」(リソラ)。