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CSS、無償提供中の発電所診断ソフトに新機能追加

抵抗値の異常検出が可能に

レポートの例。抵抗値の異常をメッセージにして通知する

再生可能エネルギー発電所の開発を手がけるCSS(北海道札幌市、吉住謙社長)は11月、無償提供している太陽光発電所の実力値診断サービスに新機能を追加した。抵抗値の異常を検出できるようにした。機能拡充により利用者の増加につなげる。

今年3月、設備のパラメーターと取得した日射量をもとに理論発電量を割り出し、実発電量と比較するサービスを無償で始めた。2つのデータをそれぞれ棒グラフにして表示し、毎日ユーザーへ通知してきた。今回ストリング監視装置を導入済みの発電所向けに、ストリング内の抵抗値の異常を検出する機能を加えた。ストリングの電流値低下を検出した場合、独自の計算によって異常を見抜き、メッセージによって通知する。

太陽電池セルが割れたり、セル同士を結ぶコネクタが剥がれたりすると、その箇所が抵抗となるため電流値が下がる。ただ、電流値の低下は、単に日射量が低い場合でも起こるため、実際に異常が発生しているかどうかの判断が難しい。

そこで同社は自社発電所を運営しながらビッグデータの解析に努めた。日射量の変動と発電量の増減の関係や、異常発生時の電流値低下の場合などを人工知能に学習させ、異常を区別するアルゴリズムを組み上げたという。

吉住社長は「たった1枚パネルが故障しただけでも発電所の出力は低下する。だが、異常の発見は簡単ではない。この機能があればストリングを全数検査する手間をかけず、異常個所を素早く特定できる」とサービスの有用性を説く。

同社は新機能を含むサービスを無償で提供することによって利用者を増やしつつ、異常発生時の現地調査やデューデリジェンスなど、一部の有償サービスへの受注につなげたい考えだ。

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