エプセム、監視ソフト販売堅調
今期13MWへ
発電量監視ソフト開発のエプセム(埼玉県川口市、東日出市社長)が、製品の販売実績を伸ばしている。2015年度は11件8.1MW分の発電所に監視システムを納入し、今期は17件13MW分の案件に出荷する予定だ。
同社は13年10月に1MWの発電所に監視ソフトを初納入した。発売初年度の実績は1件にとどまったが、14年度に3件3.5MWの出荷実績をつけ、以来堅調に売り上げている。
製品の特徴は、ドローンで発電所の全体像を上空から撮影し、その画像をもとにソフトウェア上に外観レイアウトを表示したうえで、電流値の大きさにより、太陽光パネルを10段階で色分けする点だ。例えばある1ヵ所だけ周囲と色が異なれば、ユーザーはそこに異常があると分かる。
ソフトウェア上のパネル1枚は実際の発電所の1ストリング分のパネルをまとめて表している。同社製品では、カスタマイズによりパネル1枚単位での表示も可能だ。携帯電話やタブレット端末からの閲覧にも対応している。過去の発電量データは、年・月・日単位での閲覧はもちろん、3分単位の細かな推移まで検索できる。
東社長は、「表で見ているだけでは発電所の異常に気がつきにくいが、色の変化であれば異常発生の有無は一目瞭然。このソフトは現場で端末を持ち運びながら故障個所を素早く特定できる」と利点を説く。
価格は1MWの発電所で、ストリング計測器込みの場合500~700万円だ。別途工事費が必要になる。同社製システムは、稼働済み発電所へも導入可能だ。
EPC(設計・調達・建設)も手がける同社は、自社で開発した案件のモニタリングのためにシステムを構築した。東社長は、「今後EPCの受注は減少していくはずだ。監視ソフトの提案を強化したい」と展望を語った。