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アブリテックジャパン、自社設計の営農型太陽光システムを拡販へ

静岡以外にも岡山、山梨、群馬、埼玉などでの展開を見据える

太陽光パネルメーカー、台アブリテックの日本法人、アブリテックジャパン(東京都中央区、胡書豪社長)は、ソーラーシェアリングシステムを拡販する。専用の架台を自社製造し、汎用品の自社パネルを使用することで、コスト低減を実現した。各地で農家を対象としたセミナーを開催するなど、普及を促進していく構えだ。

同社のソーラーシェアリングシステムは、昨年10月から静岡県で販売を開始した。架台を自社製造できるようになったことで、農地ごとに適した設計が可能になり、開発に取り組んだ。通常は設置が難しい傾斜地でも、パネルの配置や施工を工夫し、農作物を育成しながら発電できる。

営業本部営業3部の松沢洋次長は、ソーラーシェアリングはフラットな土地で東西にパネルを配置するのが一般的とした上で、「傾斜地の場合は南北に縦置きで配置することで、農作物に対する影の影響を低減できる。また、架台には、調整可能杭を採用しているので、現場で多少の凹凸があっても大丈夫だ」と自社システムの優位性を語る。

パネルは産業用の汎用品をそのまま使用する。農作物への影響を考えて、小型のモジュールに変えるケースもあるが、松沢次長は「農作物には光飽和点があり、それを超えると光合成が行われないどころか、食物の水分が失われて生育にダメージを受ける。適度な遮光率は必要だ」と語る。同社は、農地や作物ごとに適切な遮光率を考え、システム設計するという。

自社製造の架台に汎用品のパネルを使用したことで、「おそらく通常のシステムより4割前後は安い」(松沢次長)価格で販売できるという。お茶やゆず、みょうがなど、高さの低い農作物に対応している。

同社は9月の静岡県を皮切りに、全国でセミナーを開催する計画だ。農家へFIT制度の説明やソーラーシェアリングシステムを紹介し、拡販を図る。

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