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荒川電工、住宅用パネル設置前検査 全国展開へ

太陽光発電のEPCを手がける荒川電工(高知市、荒川浩一社長)は住宅用の太陽光パネルの設置前検査を今年9月から全国で展開する。代理店を募集して検査装置とパネルを卸す。割安な海外製パネルの品質を保証し、住宅用市場で競争力を高める狙いだ。

太陽光パネルの検査装置

同社は、住宅用の太陽光パネルの品質を設置前に検査し、一定の基準に満たない製品はメーカーに引き取ってもらうか、低価格で買い受ける契約を海外勢数社と結んだ。これにより、日本製に比べ安価ながら高品質なパネルを提供するスキームを構築。昨年11月に高知県内でサービスを開始し、約100棟の住宅に製品を販売した。

荒川社長は、「最初から出力が落ちている不良パネルもある。事前検査をしなければ、設置したパネルが正常かどうか分からない」と述べ、「検査に費用がかかっても、国産パネルを使ったシステムと比べれば、コストは3分の2程度に抑えられる」と自信を見せる。

同社はこのスキームを全国に広げるため、このほど代理店の募集を開始した。代理店は加盟金と検査装置代を同社に支払い、同社の講習に参加して認定を受ければサービスを始められる。「実際に代理店がサービスを開始できるのは早くても17年初頭だ」(荒川社長)。

設置前検査は、パネルの外観、EL測定、電気特性検査の3つ。具体的な検査内容は公表していないが、すべての試験で細かく検査項目を定めているという。検査に必要な時間は、1枚あたりおよそ3分だ。

エネルギーソリューション事業部パネルDoグループ品質管理責任者の松岡岳彦氏は、「当社がメーカーに要求する品質基準は厳しいが、海外勢にとって日本の住宅用市場は魅力があるはず。代理店もこのスキームを活用すれば、割安な海外製パネルを安心して売れるようになる」と話す。

なお、同社が扱うパネルはJET認証を取得したものだけだ。

同社は、16年9月期のパネル検査サービスを含めた住宅向け太陽光関連の売上高が5億円規模になる模様だ。来季は同サービスだけで10億円の売上を目指している。

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