オルテナジー、米製ナトリウムイオン蓄電池発売
太陽光架台の製販を手がけるオルテナジー(東京都立川市、髙橋眞剛社長)は9月12日、米アクイオンエナジー社の水性ナトリウムイオン蓄電池『Aspen(アスペン)』の販売を開始した。発熱や発火の危険がなく、安全性に優れているという。先行するリチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池との差別化を図り、産業向け発電所用を中心に展開していく構えだ。
Aspenは、高さ93.5㎝、横幅33㎝の本体を1スタックと数える。1スタックの蓄電容量は2.6kWhまたは2.2kWhで、蓄電池同士を並列につなぐことにより、自由に設計することができる。
材料は塩水をベースとし、「自然界で存在する材料のみで作っている」(執行役員の大野敬三氏)ため、有害なガスの発生や発熱がない。また、米国の認証機関で、製品の有害性や持続可能性を評価する『Cradle to Cradle』の認証を、蓄電池では唯一取得している。
性能面では、蓄えた電気を全て放電できることが特徴だ。100%の蓄電と放電を繰り返した場合でも、3000回使用できるという。
現状のマーケットでは、リチウムイオン蓄電池が優位な状況だが、大野氏は、「リチウムイオン蓄電池は高速で充放電を繰り返せる利点があるが、発熱や廃棄の問題がある」と指摘し、「一方、Aspenは自然界で存在する材料のみでつくっているため、安全であり廃棄も簡易的だ。再生可能エネルギーの本質に即した蓄電池である」と優位性を語る。
価格は、2.6kWhのタイプで1スタック14万3000円(税別・送料別)、10月中旬からの出荷を予定している。充放電をコントロールする周辺機器などは別売りとなるなど、パッケージ化されていないため、「まずは産業用に軸足を置いて1案件ごとにカスタマイズしていく。過積載の発電所などに提案したい」(大野氏)考えだ。