オーナンバ、17年初頭新製品2種発売へ
監視システムを製造するオーナンバ(大阪市東淀川区、遠藤誠治社長)が、新型監視システムと後付け可能なストリング計測装置を開発した。ともに2017年初頭の発売を目指す。改正FIT法の成立でメンテナンスの需要が高まると判断し、開発を進めた。
17年3月発売予定の新型監視システムは、低圧発電所と、PCS分散設置方式を採用した高圧向けの製品だ。1台で80台以上のPCSの発電量を計測できる従来の機能はそのまま、新たに小型ボードコンピュータ用OS『ウィンドウズ 10 IOT コア』を積み、発電データをクラウドへ保存できる。ユーザーのサーバー管理費用を抑え低価格になった。同社は高圧発電所に月10システム、低圧向けに同20システムの出荷を目指す。
一方1月に販売開始を目指すストリング計測装置は、取得した発電量のデータを無線で送れる。これにより、稼働済み発電所への設置が容易になった。
また、新型計測装置は従来品に比べ、基盤1枚で発電量を測定できるストリング数が増えた。従来9㎝×16㎝の基盤1枚で750V対応版は8ストリングまで、1000V対応版は10ストリングまでしかセンサと接続できなかった。しかし同社は高性能低消費電力センサを開発し、1枚で最大24ストリングまで計測可能にした。これで接続箱内部のスペースが狭くても後付けしやすくなったという。
なお新しいストリング計測装置はオーナンバ製監視システムにのみ対応している。また同社は無線型とともに有線型の計測器もラインナップし、既設の発電所向けの設置は無線型を、新規発電所に向けた導入であればコスト面から有線型を勧めているという。
技術部の後藤隆幸PVシステム技術ユニット長は、「改正FITで太陽光発電所のメンテナンスが必須になる。より細かく発電量を計測したいというニーズや監視装置そのものを求めるユーザーに製品を拡販したい」と語った。