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バイオマス・ジャパン、2軸自動の追尾型太陽光システム拡販へ

架台の裏側に搭載された2本のアクチュエーターで動作する

住宅用を中心に太陽光発電システムを販売するバイオマス・ジャパン(東京都豊島区、内田勝巳社長)は、9月から太陽光追尾型ソーラーシステム『BJエルソル』の販売を本格化した。同製品は、アクチュエーターと呼ばれる棒状の2本のモーターが動作し、常に太陽光が垂直に入射する仕組み。発電量やシステムの目新しさを訴求し、顧客の関心や購買意欲を喚起していく狙いだ。

同システムは、2軸追尾式の架台を用いる。事前に入力した設置場所の気候条件に合わせてパネルが傾く仕様で、最大9時間発電できる。バイオマス・ジャパンのシミュレーションでは、一般的な固定式の架台と比べて、発電量が約6割上がるという。

追尾型システムの販売を開始したのは昨年から。社内の一部人員で営業し、10ヵ所程度の導入実績を上げた。内田勝巳社長は、「自社での販売により、安定した稼働と想定した発電量を確認できた。今後は業販でも展開していきたい」と意気込む。

バイオマス・ジャパンは、元々バイオ燃料の開発販売が主力事業であったが、2009年から東京エコ・ファーストのブランド名で太陽光事業に参入した。当時から住宅用を中心に販売し、現在では売上高の半分以上を太陽光で稼ぐ。

同社の太陽光事業における2016年3月期の売上高は約15億円と、前期比のほぼ横ばいで推移した。主力の住宅用は堅調だったものの、一部受注していた産業用の需要が低下したものとみられる。

内田社長は今後の戦略について、「FIT全盛期に得た利益を新しい製品やサービスに投資している」とし、「実際に追尾型システムを営業慣れした顧客に提案すると、目新しさから興味を引きやすく、訪問率が非常に高くとれている」と効果を実感している。

また、追尾型システムの販売以外にも、住宅用のO&Mサービスを昨年から開始した。1万円の会費を支払った顧客の家庭で、定期点検を年1回行うというもの。会費はポイントに還元し、ハウスクリーニングなどのサービスに使用できる。「O&Mサービスだけで採算は取れないが、顧客の満足度を上げ、蓄電池などの販売につなげていきたい」(内田社長)。

内田勝巳代表取締役社長CEO

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