エクソル、既設発電所の増設工法開発
太陽光商社のエクソル(京都市中京区、鈴木伸一社長)は9月2日、空きスペースのない既設の太陽光発電所でパネルを増設する工法を開発したと発表した。20日より受注を開始した。従来と同額の買取り価格が適用できる利点を訴求し、システムの拡販を狙う。
新工法はアレイ間を狭めてスペースをつくりパネルを増設するものだ。パネル総量がPCSの定格出力を上回る過積載発電所にして、「朝夕の売電収入の増加を図る」(鈴木社長)。
まずアレイを動かす方向にレールを敷く。基礎と架台を分離し、横に伸ばしたレールを架台と固定して縦レール上を移動させる流れだ。縦レールが前後のアレイを、横レールは複数の架台をまとめて固定することを理由に、鈴木社長は「架台の固定点が増えパネルを上に持ち上げる風への強度が施工前と同等以上になる」と主張する。
鈴木社長は「新工法は造成も不要。耐久性が向上し維持コストを抑えられる。新設時より設置コストははるかに下がり、マーケットのすそ野は広い」と独自工法に自信を見せる。
通常太陽光発電所は、日に当たったパネルによる影が隣接するパネルを覆わないようアレイ間を広げてある。それを狭めれば当然パネルに影がかかる。
つまり新工法は増設可能量と売電収入の増額分、売電期間や売電単価を把握し、影の許容用を発電所ごとに決定する必要がある。すべての発電所で利益を生むわけではない。架台や基礎により適用できない場合もある。
同社はパネル出力約550kW、PCS容量499kWの自社発電所で110kW増設可能と試算した。仮に稼働から4年を経た40円案件とすれば増設で総売電収入が約6000万円増える。稼働2年目の27円案件なら同4800万円程度の増収だ。買取り価格40円の場合増設費用がkW単価約55万円内、27円なら同44万円内で事業者に利益が生じる計算だ。
同社は、高圧以上で布基礎を使用した発電所から優先対応する。当面は自社で施工する。見積もり依頼には無料で応じるという。なお新工法は杭基礎にも適用でき、同社は現在実証試験中だ。