カネカ、住宅用蓄電システム発売
薄膜太陽電池を製造しているカネカ(大阪市北区、門倉護社長)は6月29日、新築住宅向けの蓄電システムを発売した。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を見据え、蓄電池の需要が高まると判断し取り扱いを始めた。
新発売のシステムは、充放電容量6.25kWhのリチウムイオン二次電池と蓄電池対応PCS(パワーコンディショナ)からなり、ともに屋外に設置する製品だ。
蓄電池の特徴は、長寿命と高耐久性。充電した電力を放電する充放電サイクルを3600回繰り返しても、95%の充電容量を維持するという。外気温マイナス20℃の環境下でも使用可能で、ソーラーエネルギー事業部技術サービスグループ幹部職の黒松秀寿氏は、「電池の負極に、一般に用いるカーボン材ではなくチタン酸リチウムを採用し、長寿命化、高耐久性を実現した」という。
蓄電池とともに発売するPCSは、蓄電池と太陽電池それぞれに必要なPCSを一体にしたもので、出力は5.5kW、変換効率は95%である。
広域営業グループリーダーの横川雅彦氏は、「当社はこれまで蓄電池を販売してこなかったが、太陽電池のみならず、断熱材や空調設備を扱い、住宅の省エネルギー化を提案してきた。その方針をさらに進めていくために蓄電池は必要になると判断した」と販売開始の経緯を語る。
新システムは太陽電池を搭載する新築住宅向けの商品だ。同社は子会社の『カネカソーラー販売』を通して、ハウスメーカーやビルダー、工務店に販売していく。今後は、既に太陽電池を設置したユーザーへの提案も視野に入れていく。