ユアサ商事、O&Mに本腰
契約数520件へ
ユアサ商事(東京都千代田区、佐藤悦郎社長)が太陽光発電向けのO&M(運用・保守)サービスを本格化する。住宅用などを含む低圧案件向けに積極的に展開する方針で、2016年の契約数は累計520件となる見込みだ。
同社は、15年4月にO&Mサービス事業を開始。今年に入り50kW未満の野立てや住宅案件を中心に受注を伸ばしている。
建設事業統括YES部建設営業PTの田坂清登氏は、「当社は太陽光パネルやパワーコンディショナなどの設備販売で年間200億円規模の売上がある。既存のネットワークを活かして、アフターも独自のサービス網で展開していく」と意欲的だ。
O&M事業では、同社が元請となり、全国40社以上の協力業者が現場対応を行う。保守のニーズが事業者によって異なるため、高圧と低圧の協力業者を異なるネットワークで組織化した。
「一般住宅と特高案件では、技術的な違いはあまりないが、求められるサービスのレベルは違う。物件ごと、あるいはユーザーごとに自由度高くカスタマイズできるような体制を築いた。住宅から特高まで幅広くカバーする」(田坂氏)。
高圧案件に関しては48時間以内の駆けつけのほか、点検後の修理など二次対応も行っている。サービス開始に伴い、技術・安全・衛生面の講習会や勉強会を地域ごとに開催し、サービスの標準化を図った。価格について田坂氏は、「低圧案件で200万円の売電収入があるとすれば、年間の保守費用は10万円前後、売電収入の5%程度の価格が理想だ」と話す。
同社はエネルギー関連事業で、太陽光発電システムや、風力発電、バイオマス発電、省エネ設備を材工一貫で販売している。
O&M事業では、これまでの協力業者のネットワークを基に、太陽光発電のみならず、他の再エネや、水上メガソーラーなど特殊な案件のメンテナンス提案も進めるという。田坂氏は「O&M事業者や、新たにO&M事業を始める事業者に対しても、我々のサービスを提案していきたい」と語った。