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村田製作所、1kWのミニPCS開発

太陽光発電事業に新規参入

小型・薄型・軽量を図ったミニPCS

村田製作所(京都府長岡京市、村田恒夫社長)は、太陽光発電向けに出力1kWの超小型PCSを開発した。2017年度中に量産を開始する予定だ。同社が太陽光発電向けの製品で量産化を目指すのは初めて。

超小型PCSは3レベル回路技術を用いて電圧変化を抑え、独自のシミュレーションソフトを使った熱設計技術で熱損失を少なくした。冷却部品などを小さくすることで、小型化と高効率化を実現した。

サイズは、横450㎜×縦160㎜、高さは50㎜で重量は約5㎏。量産品の変換効率は97%を目指す。長寿命化を実現するため、密閉構造で埃や湿気の侵入を防いだ。防水・防塵の保護等級IP66を取得した。

太陽光パネルの背面などにPCSを設置できるため、直流の長距離配線や、接続箱、昇圧ユニットが不要になる。施工性が増し、システム全体のコスト削減が実現するという。しかも、無線通信を使うことで通常の中型PCSに比べ、設備の故障箇所の特定をより細かな単位で監視できる。

エネルギー事業統括部商品開発部の三野和明シニアマネージャーは、「4、5枚のパネルに対して1つのPCSが付く。カーポートやソーラーシェアリング、住宅のベランダなど小容量のシステムや、産業用のシステムで影の影響がある一部分に利用するなど、設計の自由度があがる」と語る。加速試験や信頼性評価を実施し、日本のみならず海外展開も視野に入れ、開発を行っていくという。

入力電圧は80~250V、最大入力電流は10A、出力電圧は200V。920MHz通信機能を備え、HEMSやBEMSとの連携が可能だ。

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