ジェイシティ、遠隔監視システム導入本格化
SBエナジーと4月に契約
ソフトウェア開発のジェイシティ(東京都渋谷区、藤本伸治社長)は、遠隔監視システム『ヘリオス』の提案を強めている。2015年は前年比1.2倍の35サイト、135MWに導入し、10年のサービス開始から累計導入数は約100サイト250MWとなった。16年4月には、SBエナジーと新たに契約を結んでおり、17年までに太陽光発電の遠隔監視システムで600MWの導入を目指す。
同社の遠隔監視システムは、特高・高圧・低圧向けの3タイプあるが、全体の8割が特高・高圧向けである。特高・高圧向けには、ストリング監視、PCS(パワーコンディショナ)監視、受変電設備などのキュービクル監視、パワコンや断路器など機器類の遠隔制御をワンパッケージで提供している。500kW以上の高圧案件では、PCSのノイズ混入を防ぐため、自社開発のノイズフィルタを導入した情報収集機器『ヘリオスビースリー』を標準で設置している。
ジェイシティの藤本伸治社長は、「ノイズの影響を受けないので、通信が途切れることがない。ソフトウェアと、ハードウェア両方のサービスを展開できるのが強み」と話す。
初期導入費と月々の使用量によって料金が発生するデータクラウドサービスと、使用許諾を提供するライセンス契約、OEM契約でシステムの提供を行っている。藤本社長は、「レポート作成や、資料管理機能サービスも提供できるので、O&Mやアセットマネジメントを主眼に置いたユーザーに提供したい」と語る。
同社は、2010年に青森県六ヶ所村で行われたスマートグリッドの実証事業に参画したのをきっかけに太陽光事業に参入。日本風力開発の子会社で、電力管理システム事業を行うイオスエナジーと遠隔監視システムを構築し、中部電力グループ、シーエナジー向けに導入したことで実績を積んだ。
なお16年は現時点で12サイト、40MWに導入している。