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NTTファシ、メガソーラー向け新型パッケージ発売

敷地面積あたりの発電量最大30%アップ

NTTファシリティーズ(東京都港区、一法師淳社長)はこのほど、地上設置型太陽光向けのパッケージシステムを発売した。独自工法を採用し、敷地面積当たりの発電量を増加させた。来年4月の改正FIT法の施行に向けて、未稼働案件が事業の可否判断を迫られるなかで、新たなソリューションとして注目を集めそうだ。

新発売した『FソーラーパッケージMタイプ』はM字型アレイ工法が特徴

同社が新たに開発したパッケージシステムは高圧以上の地上設置型太陽光設備を対象とした商品で、メガソーラーが主なターゲット。太陽光パネル、PCS(パワーコンディショナ)、架台、受電設備、監視計測装置などを基本セットとして提供するのだが、最大の特徴は『M字型アレイ工法』を採用したことだ。

同工法は、パネルを東西方向にM字型に設置するもの。傾斜角は15度。影の影響によるアレイ間の離隔距離を短縮できるため、より多くのパネルを置けるようになった。

例えば、一般的な南向き15度設置と比べると、敷地面積あたりのパネル設置容量が20~40%、発電量が10~30%増加し、IRRは最大1%向上するという。

ソーラービジネス本部ソリューション営業部の白田慶一郎氏は、「いまは造成費や借地料、系統アクセス費など発電部分以外の固定費のインパクトも大きい。同じ敷地面積でいかに多く発電できるかが重要だ。従来は1kWあたりに必要な敷地面積が約15㎡だったが、新工法では10㎡程度に削減できる」と語る。

改正FIT法の施行を4月に控えるなか、未稼働案件は事業可否の判断を迫られている。だが、土地形状などの問題や設計不備から当初申請したパネル容量を設置できなかったり、発電部分以外の固定費が高額なために事業性を確保できず、足踏みしている案件もあるようだ。そういった案件にとっては、狭い敷地により多くのパネルを設置できる同社のパッケージが事業化に漕ぎ着けるソリューションとなるかもしれない。

また、太陽光分野で発電事業からEPC、O&Mサービスまで幅広く手掛ける経験やノウハウを活用。「長期運用を前提とし、施工性や保守性も考慮した。制度なども踏まえ、いまの日本ならではの考え方から生まれたパッケージだ」(同部の白木利幸部長)。

パネルが72セルの結晶系、架台は6段組みであるため、山型の頂点の高さは約2m。施工や保守に必要なスペースをしっかりと確保した。PCSは分散型の中型機種を採用、アレイ下に据え付けることで設置スペースの削減にも繋がっているという。

新商品は、パッケージのみの提供も行っており、販売パートナー企業も募集している。白田氏は、「必要であれば施工に関するパートナー企業を紹介したり、保守サービスとのセット提案も可能だ」とし、「太陽光市場の継続的な発展と更なる普及拡大に繋げていきたい」と語った。

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