日本あんしん設備保全協会、屋根上太陽光の管理サービス開始
日本あんしん設備保全協会(東京都中央区、藤村智宏理事長)は、5月より小規模太陽光向けの維持・管理補償サービスを開始した。住宅用を含む屋根上に50kW未満の太陽光システムを設置したユーザーに提供する。太陽光の維持・管理や不具合調査を第三者機関が担うサービスである。
同協会は2015年3月に設立された一般社団法人。太陽光発電の保守・点検や検査、診断のシステム開発、維持・管理を担うインスペクター(検査員)の育成などを行う。なかでも住宅履歴情報の関連団体と連携し、太陽光システムの維持・管理記録を長期保管する仕組みを構築している点が特徴だ。
国による住宅の長寿命化や中古市場の活性化の推進に伴い、住宅履歴情報の重要度が増している。関連設備の一つである太陽光システムも対象となる。
システム部会長の中尾典文氏は、「建物の価値向上のためにも住宅履歴情報は必要。だが、太陽光システムは構成機器から設計・施工まで専門性が高い。当協会には各分野で15年以上の経験を持つプロがいる。住宅履歴情報の関連団体とも連携しながら、適切な維持・管理を支援していく」と意義を説明する。
その協会がこのほど開始したのが『維持・管理プラス補償制度サービス』。住宅用を含む50kW未満の屋根上に設置された太陽光システムを対象に維持・管理や不具合調査・修繕、それらに関する記録の保管などを手掛けるものだ。三井住友海上火災保険と提携し、電気的・機械的事故補償を提供するほか、設計・施工、機器選定などに関するアドバイスも行う。契約期間は10年間(補償は1年更新)。11年目以降の更新も可能だ。ただし、記録の保管期間は最大30年。
システムの稼働と同時にサービスを受ける場合、年次調査を毎年行い、初回と4年目、8年目に詳細調査を実施する。不具合発生時には、協会が認定したインスペクターが現場調査や診断を行い、修理・交換を含めて対応していく。詳細調査の時期や契約期間が異なるが、稼働中のシステムもサービス対象だ。
「いまでも太陽光システムの適切な維持・管理が行われていないケースが存在する。今後、施工を担当した会社と連絡が取れないなど、問題を抱えるユーザーが増える可能性もある。そういう方々の受け皿にもなれれば」(中尾氏)。
現在、同協会の会員は、機器メーカーや施工店、商社など約20社。現地調査を行うインスペクターの育成も本格化させる。今後、全国で説明会を開催していく予定だ。