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NEDO、ドイツで自家消費モデル実証開始

スマートコミュニティ実証事業のシステム図

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は独シュパイヤー市内で太陽光発電システムと蓄電池、ヒートポンプ温水器をHEMSで制御する自家消費システムの実証試験を開始した。太陽光発電のコストがグリッドパリティに達し、売電単価も安いドイツでは自家消費利用が経済的。ドイツの集合住宅で住民が生活し、設備の経済性を検証する。

NEDOスマートコミュニティー部の桜井孝史統括主幹は、「ドイツではFIT価格が電力系統から購入する電気料金より下がっているので、実証システムの経済性を評価するのに適している。日本でもPVがドイツのように普及すれば、実証システムを国内にも普及する可能性がある」と話す。

シュパイヤー市内では、タイプAとBの16世帯が入る集合住宅2棟で実証を行なう。

タイプAにはリチウムイオン蓄電6.0kWhとヒートポンプを2台設置し、40kWの太陽光発電を16世帯それぞれに2.5kWずつ割り当て、日射量データや各世帯の負荷パターンをもとに蓄電池やヒートポンプをHEMSで制御する。

タイプBは、蓄電池140kWh、ヒートポンプ1台、40kWの太陽光発電を集合住宅1棟で管理する。タイプBは、現在リチウムイオン蓄電池を設置しているが、今夏リチウムイオンと鉛を組み合わせたハイブリッド蓄電池と、蓄電池と太陽光発電のPCSが一体となったハイブリッド型のPCSを導入し検証する。

NTTドコモ、NTTファシリティーズ、日立化成、日立通信エンジニアリングが共同でシステムの構築を行い、独シュパイヤー電力公社が運転、保守管理をしていく。実証は、2018年3月まで行う。

実証システム タイプA(左)とタイプB(右)

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