テラドローンが5月にサービスを開始
測量はドローンで
電動二輪車メーカー、テラモーターズの子会社、テラドローン(東京都渋谷区、徳重徹社長)は5月から産業用太陽光発電所の建設に伴う測量をドローン(無人航空機)で行うサービスを始めた。従来の測量方法に比べコストや所要時間を削減できるという。これまで10ヵ所計500ha分の案件を受注した。
テラモーターズと、測量業を展開するリカノスが今年3月に出資して設立したテラドローンは、これまでに約100件の工事現場でドローンによる測量の依頼を請け負ってきた。5月に国内大手EPCより太陽光発電所の建設に際した測量業務を受注し、以来メガソーラー向けの提案を強めている。機体の製造から空撮、データの処理、図面の作成まで一括して行う。すべて自社で手がけることで対応の早さとコスト競争力が生まれている。
サービスの価格は土地環境や解析内容の詳細さにもよるが、5haでおよそ50~60万円だ。地面に立てた三脚に測量機を取り付けて実施する従来の方法に比べ、コストは5分の1に、所要時間は10分の1に短縮できるという。ドローンによる測量は、範囲が1ha以上であればコストメリットが生じるという。
正確性にも自信を持つ。ドローンを利用した測量と従来の方法で測った2つの図面を比較すると、99%以上の地点で、高さの誤差が±5㎝以内に収まっているという。
懸念すべきは強風下で操縦できない点だ。風速5m以上で飛行の可否を検討する必要が生じ、10m以上吹けば飛行を中止しなければならない。テラドローンは機体を重くするなどしてより強い風でも飛行可能な機体の開発に取り組むという。
通常ドローンを飛ばすにはその都度国土交通省へ申請が必要だ。だが同社は6月、建設現場における測量目的であれば、煩雑な手続きを経ずに日本全国でドローンを飛ばす許可を国交省から得た。今期は年商10億円を目指して事業を展開していく。
なお今夏を目途にドローンに赤外線カメラを搭載し、モジュールのホットスポットを見つけ出すサービスも始める予定だ。