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富士アイティ、遠隔監視システム販売好調

累計800MW

同社が提供する『ソーラーコンシュルジュ』の管理画面。各拠点の異常や発電状況を1画面に表示する。

富士電機の子会社で情報・通信業を行う富士アイティ(東京都立川市、渡辺裕社長)が遠隔監視システムの導入数を伸ばしている。2016年3月期は前期比2.8倍の472MW出荷し、累計導入量は800MW、設置拠点は347ヵ所となった。

同社は、2MW未満の小規模発電所を監視するターミナル型、2MW以上の大規模発電所を監視するプラント型、大規模の発電所をまとめて監視するクラウド型の3タイプを提供している。このうちクラウド型は、265ヵ所、325MWで最も導入数が多い。

営業技術本部営業技術第二部の越後正義部長は、「発電所を50から100拠点所有するような大口ユーザーから発電所を一括で監視したいという要望が多くなった。他社メーカーから乗り換えるユーザーが半分を占めている」という。

システムは、PCS(パワーコンディショナ)と、ストリング単位で監視を行う。接続できるPCSは国内外含めて13社30機種、ストリング監視ユニットは8社20機種に対応している。

同社が力を入れているのは、収集したデータの解析だ。統合型監視システムでは、事業者が保有する各拠点の発電効率、設備利用率、日射量などをランキングで表示し、発電所をそれぞれ比較・検討できるしくみをつくった。越後部長は、「過積載やPR値を含めたデータ表示が可能なので、事業者も収益性を高めることができる。発電所ごとに分析していくと、曇りに強いパネル、夏場に強いパネルもわかるようになる。集めたデータをどのように活かすかが今後のテーマ」と話す。

PPS事業者向けに、30分毎のデータ収集を標準搭載し、太陽光発電のみならず、バイオマス、風力、水力など複数の分散型電源を一括で管理するサービスも提供する。外資系の事業者からの引き合いも増えており、6月には英語版をリリースする予定だ。

また、O&M事業者向けに発電所の運用をクラウド上で管理するシステム、『ホシュタス』の販売も始めた。在庫管理、発電所毎のO&Mのスケジュール管理など、ユーザーが管理項目をカスタマイズできる。

16年3月期の太陽光発電用監視システムの売上高は、前年比30%増の8億円だった。今期は10億円の売上を目指す。

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