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ミライトら、パネル劣化診断装置開発

パネル取り外し不要に

(上)『SolMaster(ソルマスター)』(下)データ表示画面

ミライト(東京都江東区、鈴木正俊社長)はこのほど、音羽電機工業(兵庫県尼崎市、吉田修社長)、長谷川電気工業(兵庫県尼崎市、松岡樹生社長)と共同で劣化パネルの診断装置を開発した。今秋までに販売を目指す。

装置は、ストリング診断とパネル診断の2つの機能を持つ。ストリング診断では、パワーコンディショナを運転させた状態で診断し、最大8ストリングの発電電流を相対比較して、ストリングの不具合を特定する。

パネル診断では、ストリングを配線から外した状態で診断し、パネル1枚ずつに遮光板をかぶせ、接続箱内の回路に電子負荷と抵抗負荷をかけてストリング全体のIVカーブを測定する。非遮光時のIVカーブを基準値として、パネルを1枚ずつ遮光しながら測定したIVカーブと比較することによってストリング内の劣化パネルを特定する。取得したデータを解析することで、電流低下型か、電圧低下型の不具合かを判別でき、さらに劣化しているクラスタの数もわかるという。

ミライトのソリューション事業本部の中村邦夫担当部長は、装置の特徴を「パネルを取り外さずに検査ができるので、煩雑な作業が減り、検査時間を大幅に短縮できる」と話す。同装置を使うと、ミライトが保有する実証サイトでは、「1ストリングに1時間以上の時間を要していたが、15分程度で検査できた」(ミライト技術開発本部、山田正美担当部長)という。

装置は可搬型で、電源は乾電池、充電電池、モバイルバッテリーが使用可能。オプションで日射計と温度の記録もできる無線を使ったセンサーユニット、中継器を用意した。オプションの無線中継器を使えば、メガソーラーでも使用できる。モバイルバッテリーを使えば、連続40時間の計測が可能だ。

価格について、音羽電機工業の名小路朙之顧問は、「ストリング、パネル診断両方の機能を持つフルセットで100万円程度、パネル診断のみの機能で50万円前後を想定している。手直しを加えて、最終仕様は夏以降に提供する」と話した。

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