Inside News

西進商事、パネル劣化診断システム販売

現場でEL検査が可能に

パネル劣化診断システム『SolarEL Explorer』

西進商事(兵庫県神戸市、為則通洋社長)はこのほど、設置現場でEL検査を行えるパネル劣化診断装置を開発した。初年度は10セット以上の販売を目指す。

EL検査は、電流を強制的に流すと太陽電池が発光する性質を用いた検査方法で、パネルを取り外し、暗所で検査するのが一般的だが、同社の製品はパネルを外さず現場で診断できる。

同社は、奈良先端科学技術大学院大学の特許を運営するアクティブ・ソーラー・イノベーションと共同で夜間でも光を明瞭に捉えることができるシステムを開発し、現場での診断を可能にした。EL発光用のDC電源を活用し、暗時のI-Vカーブも同時に診断できる。

阪本淳取締役営業部長は、「夜間の測定は売電の妨げにならず、検査も安全にできる。日射条件に影響されないのでダイオード特性そのものを診断することができる。PID現象から、マイクロクラック、エアクラック、電極剥離も確認できる」と話す。

診断時間は、1ストリングあたり約10分。EL検査時の画像取得時間は0.01~0.25秒で、50kW10ストリングのサイトだと約2時間で診断できるという。

カメラと専用ソフトウエアを搭載したタブレット端末の基本仕様は約400万円、電流注入用DC電源とケーブルなどのオプションは、200万円程度で販売する予定。「初年度は10セットから20セットの販売が目標。その後、米国など海外展開を視野に50から100セット販売したい」(阪本取締役営業部長)。

同社は、ICやスクリーン印刷機、太陽電池製造機など電子装置の設計・製造・販売を行う。15年度の売上高は前年比横ばいの47億円だった。

阪本淳取締役営業部長

Inside News を読む

一覧を見る