NEDO、日射量データベース拡充
日射スペクトルデータとアジア標準日射データを整備
新エネルギー・産業技術総合開発機構(神奈川県川崎市、古川一夫理事長、NEDO)は3月30日、日射量データベースを拡充した。『日射スペクトルデータベース』と『アジア標準日射データベース』を新たに整備したほか、年間月別日射量データベースに各月、年平均、各季節の最大・最小値を表示できる機能を追加した。
NEDOは2012年より、『日射量データベース閲覧システム』として、『年間時別日射量データベース』(METPV-11)や『年間月別日射量データベース』(MONSOLA-11)、『全国日射量マップ』をホームページ上で無料公開。全国837地点の日射量データベースを用いて、任意の傾斜面や方位における時間別・月別日射量を算出できるシステムであり、太陽光発電を設置する際の発電量のシミュレーション用に活用されてきた。
今回、NEDOは2つの新しいデータベースを構築した。
『日射スペクトルデータベース』は、日本の気候区分を考慮し、北海道、茨城県、岐阜県、佐賀県、鹿児島県の5地点での日射スペクトルデータ及び気象データを公開したもの。波長ごとの日射強度が把握でき、主に研究開発用途での利用を想定している。
一方、『アジア標準日射データベース』は、NEDO事業やWRDC(世界放射データセンター)のデータをもとに、アジア地域の日射量の月平均値や時間平均値をデータベース化したもの。元データが異なるため、収集期間や閲覧項目は統一されていないが、「これまでNEDOがアジア地域で実証事業を行ってきた成果を活用している。アジアは太陽光発電にとって注目市場。海外展開のときに参考にしてもらえれば」(新エネルギー部太陽光発電グループの西村隆雄主査)。
また同時に、『年間月別日射量データベース』の機能追加も実施、表示データの選択肢に『年変動』を設けた。これにより、各月・年平均・各季節における最大値と最小値が画面上で簡単に確認できるようになった。