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アドテック富士、傾斜地自動施工装置開発

高速道路の法面などで導入を目指す

工作機械製造のアドテック富士(愛知県岡崎市、児玉誠吾社長)は、傾斜地での太陽光発電所の施工を自動化する専用の機械を開発し、3月より受注生産で販売を開始する。

傾斜地上部に装置を設置すると、装置から太陽光パネルが送り出され、架台上のレールを自動で降りていく。遠隔操作機能も備わっており、100m離れた場所でもタブレット端末で操作でき、速度も調節できる。作業員はパネルを架台下で受け取り、架台とモジュールを固定する。

同社は、傾斜地施工のコスト低減を目的としたNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証事業を受託し、NTTファシリティーズともに、2013年に傾斜地施工の実証を開始、16年2月で実証を終えた。作業性に重点を置き、NTTファシリティーズが架台を、アドテック富士が自動装置を開発した。

アドテック富士工作機械営業技術部技術課の溝口泰崇課長代理は、「自動装置は他メーカーの架台にも対応できる。架台の情報を開示してくれれば、架台に対応した装置を設計できる」と話す。

想定作業時間は、5kWのシステム設置の場合、通常は作業員5人で750分かかるのに対し、自動装置を使った場合は作業員1人で、120分に短縮できるという。「傾斜地での作業はパネルの運搬など、危険も多い。安全性を確保するためにも自動装置が役立つ。スペックにもよるが、自動装置の値段は1500万円程度」(青木眞德会長)。

同社は、富士機械製造100%子会社で、16年3月期の売上高は前期比横ばいの40億円で推移する見込み。

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