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電子工学センター、パネル検査装置発売

渦電流で傷をチェック

太陽光パネル傷探査装置 「ソクラテスター」

情報・通信のシステム開発を行う電子工学センター(神奈川県川崎市、中村幸央社長)は、渦電流による太陽光パネルの検査技術を開発し、2月1日に検査装置の受注販売を開始した。簡易的な検査方法で、国内外で販路拡大を目指す。

開発した技術は、渦電流を利用した検査方法で、パネルに高周波電流を流し、絶縁状態になった傷部分の磁力線の変化を読み取る。太陽光パネル上で装置をスライドさせ、傷を検知するとLEDが点灯し、ブザー音が鳴るしくみだ。

電子工学センター、ハード開発部顧問の森下尚氏は「検査環境を選ばず、誰でも検査できるハンディ型の軽量タイプだ。電池駆動式にし、検査方法も簡易的にした」と語る。

検査機器の重さは600g、単三電池4本で最大10時間の使用が可能だという。検査装置の開発について、森下氏は、「渦電流を使った検査方法で障害になっていたのは、セル同士の境目の部分。この部分は絶縁状態にあるので、装置が傷と誤認してアラームを鳴らしてしまう。パネルの接合部と傷を区別して認識する技術を装置に取り入れた」と話す。

今後は、傷の形状や場所を特定し、データ蓄積を可能にした装置を開発する。「初期の不良点検やパネル出荷時の検査、リユース太陽光パネルなどにおいて、EL検査をする必要があるかどうかを、この装置で判断してもらいたい」(同氏)。

シリコン結晶系の太陽光パネル専用で、市場価格は40万円、初年度の出荷は300台を目指している。

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