オーナンバ、EMS6月発売へ
工場の自家消費ユーザーに提案
配線大手のオーナンバ(大阪市、遠藤誠治社長)は、今年6月を目途に太陽光発電の発電量や電力消費量を予測して制御できるEMS(エネルギー・マネジメント・システム)を発売する予定だ。太陽光発電で自家消費しているビルや工場に提供する。電気代の削減効果を訴求していく。
遠隔監視装置を製造する同社は、昨年パワーコンディショナの故障を予測するシステムを開発し、10月より販売している。同システムを応用して、今回は発電量や電力消費量の予測機能を搭載したEMSを開発。今年6月に商品化する。
今回の製品は蓄電池とシステムを構成し、ビルや工場における「機器の最適制御を実現するシステム」(技術生産統括部技術部PVシステム技術ユニット長の後藤隆幸氏)。気象データから30分単位で太陽光発電の発電量と建物内の電力消費量を予測。30分間の消費量が過去のピーク(最大値)に近づくと、蓄電池からの給電、もしくは工場内の機器を制御してピークカットを行う。
高圧受電家の電気代の基本料金は、年間で最も電力を消費した月の値で決められる。ピークカットを促す同システムは、電気代の削減に繋がる。
主な納入先は、全量消費型の太陽光発電を導入したビルや工場の高圧受電家だが、新規で太陽光発電システムを設置するユーザーも対象だ。
取締役管理統括部長の武田豊氏は「今後はFITに頼らない自家消費型システムの需要が高まる」と予測する。
後藤氏は、「太陽光だけでなく、風力や水力などの他の再生可能エネルギーに向けても提案していきたい」と展望を語った。