サンコーシヤ、SPD出荷好調でPV売上倍増
SPD(雷保護装置)を製造するサンコーシヤ(東京都品川区、伊藤眞義社長)は、太陽光関連製品の2016年3月期の売上高が、前期比2倍以上の10億円前後で推移する見込みだ。SPDの販売が3倍の伸びを示し、売上を押し上げた。雷害対策の重要性を訴え、導入を促す考えだ。
SPDは、落雷の際に発生する過電流をアースに逃がし、電機・電子機器を保護する装置。保護対象の機器の配線に、SPDを設置することで機能する。作動する度に劣化する消耗品だが、通常の落雷であれば10回以上は使用できる。
同社は13年から、太陽光発電所向けに直流電源用のSPDの販売も開始した。敷地面積が広く、受雷の危険性が高いメガソーラーで多く使用され、売上を伸ばしてきた。
ただ、雷コンサルティング部の井口智課長は、「電力会社や大手EPCはSPDの導入に理解があるが、発電事業者の多くは、コスト削減の観点から建設当初の予算にSPDを組み込んでいない。現状は被害が出た後に導入を検討するケースが多い」と話す。
また、高価なPCSだけにSPDを設置し、計測装置などの弱電機器は保護しない場合も多いそうだ。
事業戦略室の巽雅敬プロダクトマネジャーは、「今のペースで太陽光発電所の建設が進むとは限らない。事業主の理解を得る提案が重要だ。当社は、調査から提案、保守まで一括したサポートを行っている。雷害対策の必要性を提案していきたい」と意気込みを見せた。