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ラスコジャパン、売上倍増10億円

同社製の基礎

太陽光発電所用に簡易基礎を製造するラスコジャパン(兵庫県三木市、島谷学社長)は、2015年12月期の太陽光関連の売上高が前期比倍増の10億円で推移した。大規模発電所向けの基礎の出荷量が2倍に増え、出力換算で200MWに達した。

低圧向けの出荷が中心だった14年に比べ、15年はメガソーラー約40件に製品を販売するなど、大規模案件向けの販売が上昇、出荷量は200MWへ前年比倍増で推移した。開発部の中塚正明課長は「15年は件数自体前年の半分程度だったが、案件が大型化している」と話す。

同社の製品は、コンクリート製土台にスチール製42.7㎜の杭を4本、それぞれ2m程度地中へ打ち込む。「設置の際に重機が不要で、施工性が高いのが特徴だ。4本の杭で固定するから耐久性も充分。斜面や軟弱地盤にも設置が可能だ」(中塚課長)。

昨年8月、台風15号が九州を襲い、各地の太陽光発電所は被害を受けた。だが鹿児島県に3基ある同社製基礎を使用したメガソーラーは、周囲のフェンスが倒れても、基礎や架台に被害はなかったという。中塚課長は「当社の基礎の耐久性が証明された」と胸を張る。

基礎の製品価格はkW単価約1万4000円。同社は基礎だけを出荷する場合もあれば、自社製架台とともに販売することもある。架台は設置場所に合わせ一品一様の設計を施すという。

今後太陽光向けの適地が減少し、傾斜地や軟弱地盤の土地に発電所を建設する動きが活発化する可能性は高い。「そうなれば当社の強みが生かせる」と、中塚課長はさらなる成長に自信を見せる。

その同社は今夏、新たに2つの製品の発売を予定している。

1つはコンクリート基礎の代わりにダクタイルを使った製品だ。ダクタイルはマンホールの材料に使われるほど強度があり、かつコンクリートより軽い。現状コンクリート製土台の重量は1つあたり35㎏だ。中塚課長は「ダクタイルに変えることで、重量10㎏以下を目指している」と語る。

2つ目が営農型太陽光用の基礎と架台だ。営農型太陽光では足の高い架台が必要になる。当然それを支える基礎もより耐久性の高い製品が求められる。中塚課長は「まだ開発段階」としつつも、基礎は打ち込み杭の本数を6本に増やすなどした製品を製作中だという。

15年の総売上高は前期比30%増の約21億円で、太陽光関連が半分程度を占めた。14年に全体の3割程だった太陽光関連が15年から主力事業へ成長した。

昨年8月の台風でフェンスが倒れる被害に見舞われた発電所。しかし同社の基礎はびくともしなかった

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