翔栄クリエイト、売上1.5倍50億円へ
台湾PCSの分散設置で競争力強化
太陽光のEPC(設計・調達・建設)を手がける翔栄クリエイト(東京都新宿区、宇佐神慎社長)は、台湾製PCS(パワーコンディショナ)の分散設置を推奨し、競争力を高めている。2016年7月期の売上高で前期比53%増の50億円を目指す。
99年に太陽光分野に参入した同社は、50kW未満の低圧発電所からメガソーラーまでEPCを展開。実績は完工ベースで累計20MWにのぼる。
現在約200億円の受注残を抱え、7月には茨城県の出力1.78MWの大型発電所の完成を計画。今期も仕事量は旺盛で、計10MWの完工を予定している。
宇佐神社長は、自社の強みを「台・デルタ電子製のPCSを使用した分散設置による競争力と、自社開発の遠隔監視システムにある」とし、特にPCSの分散設置はFITの開始当初から推進してきたという。
確かに、国内メーカーの大型PCSは、PCSを収納するエンクロージャや、空調設備が必要だ。重機を使うため設置費がかさむ。ただ、分散設置も、PCSの設置台数が増え、ケーブルの量も多い。必ずしも分散設置がコスト優位とはいえない。
だが、宇佐神社長は、「分散設置にすれば、設置後のリスクが軽減し、発電が安定する。PCSの保守も簡素化でき、維持費を抑えられる」と、発電事業の収益性向上に繋がることを示唆した。
27円案件のEPCについて、「当社は初期コストを抑えつつ発電パフォーマンスを高められる。売電価格27円でも十分な利益を提示できる」と自信をのぞかせた。
EPCを中心としたクリーンエネルギー事業は、今期の売上高が前期比76%増の30億円と大幅な成長を見込んでおり、総売上高の約6割を占める。なお、同社は、デルタ電子の正規販売店で、代理店へ卸販売している。