西・ゲスタンプ、スチール架台販売本格化
スペインの自動車部品大手、ゲスタンプグループが、日本で太陽光発電所用のスチール架台の販売を本格化させている。今年6月には同架台を使ったメガソーラーが稼働。年間30MWの出荷を目指し、提案を強めている。
ゲスタンプは、再生可能エネルギー分野に進出し、太陽光や太陽熱、風力、バイオマスといった再エネ発電所への投資事業のほか、専用架台の製販を手掛けている。欧米での架台の設置実績は、太陽光用と太陽熱用を合わせて4GW以上。日本には太陽光用を年間600MW生産できるスペインの工場から輸出する。
製品は主に溶融亜鉛めっき加工を施したスチール架台。C形鋼をそのまま杭基礎として使える架台のほか、スクリュー杭やコンクリート基礎への対応も可能だ。施工会社と提携した工事込みのサービスも提供する。
日本では、ゲスタンプ・アセティム・ソーラー・ジャパン(東京都中央区)が発電事業を展開。2014年5月にはスチール架台の製販を行うゴンヴァッリ・スチールサービスが同社事務所内に専任者を配置し、日本で架台販売を始めた。
ゴンヴァッリ・スチールサービスのソーラー部門キーアカウントマネージャーの小川浩之介氏は、「当グループの日本のプロジェクトには基本的に当社の架台が採用される。6月に茨城県大子町のゴルフ場跡地で、当グループによる日本初のメガソーラーが稼働したが、そこに当社の架台が使用された」と話す。
製品の強みは品質だ。ゲスタンプは品質に厳しい日本の自動車メーカーに部品を供給しており、架台生産でも厳格な品質管理体制を敷いているという。
そのうえで価格競争力も高めている。小川氏は、「我々はグローバルで年間400万t以上のスチールを使用しており、材料費を抑えられる」とし、架台の価格について、「10MWクラスの場合、輸送費含めた現地渡しの部材単価はW8〜10円。規模によって輸送費などが異なるが、大差はない」という。
納期は「注文から最初の納入まで7週間から12週間」(小川氏)としている。