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傾斜地は自動施工で

NTTファシら、新工法 来春実用化へ

自動施工装置を使ったパネル設置の様子

太陽光発電のEPC大手NTTファシリティーズ(筒井清志社長)は、工作機械製造のアドテック富士(青木眞德社長)と、傾斜地に太陽光パネルを自動で設置できる新工法を開発した。来年4月の実用化を目指す。困難だった傾斜地施工の幅が広がりそうだ。

NTTファシらは、傾斜地施工のコスト低減を目的としたNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証事業を受託し、山梨県北杜市の実証サイトで2013年に研究を始めた。NTTファシは架台を、アドテック富士は自動装置をそれぞれ開発、このほど実用化の目途をつけた。

一般に、傾斜地は、パネルの設置が困難で、平地に比べて作業効率が落ちる。人件費が嵩み、施工費を押し上げていたため、今回は作業性に重点を置き、斜面での作業を自動化した。

架台を斜面の上で組み立てられるようアジャスト式を採用し、レールを取りつけ、パネルをレールの上にスライドさせて下ろす仕組みにした。斜面上部からパネルを自動で送り出せるように自動装置を設置。装置には遠隔操作機能を備えつけ、100m離れた場所から操作できるようにした。作業員は斜面下でパネルを受け取り、ボルトで固定すれば済む。

アドテック富士によると、斜面の上り下りの無駄を省くことができ、作業時間を最大3時間短縮できるという。

NTTファシリティーズソーラープロジェクト本部の野崎洋介副本部長は「今後具体的なコストを算出し、経済性を検証していく。最終的には鉄道線路や高速道路の側面などに設置できるようにしたい」と話す。

他にも実証サイトでは、NTTファシが、重機を使用せずに施工できる小型の埋め込み式架台や、シート型の薄膜太陽光パネルの検証を進めている。17年2月のプロジェクト終了までにそれぞれ発電特性を比較検証し、実用化を図る。

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