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日本カーネル、バイパスダイオード検査機販売

8月に発売したバイパスダイオードチェッカー

太陽光システムの検査装置を開発する日本カーネルシステム(大阪市、長畑二郎社長)は今夏発売したバイパスダイオードチェッカーの販売を強めている。保守業者や施工店を対象にストリング単位で検査できる性能面を訴求、来年3月までに50台の販売を目指す。

モジュールの一部に影がかかったり、セルが故障したりすると、その部分は電流が流れずに抵抗となる。その抵抗部を迂回して電流を流すためにモジュールに設けられた回路がバイパスダイオードだ。同社の新製品は、結晶系モジュールのバイパスダイオードの故障を診断する装置である。

新エネルギーシステム事業本部営業部の長畑賢課長は、「これまでは屋根上のモジュールを診断する場合、屋根に上らなければならず、手間がかかった。そこで接続箱につなぎ、安全にストリング単位で計測できる製品を開発した」と経緯を語る。

故障の有無は、モジュールに逆流電流を流したときの電流と電圧の変化から判断する。正常なバイパスダイオードは逆流電流に対して抵抗となり電流と電圧が上昇するため、反応が鈍ければ故障と診断できる。

日中はモジュールに電流が流れており、それ以上の大電流で逆流させると、故障しかねない。検査時は発電を停止させなければならないが、売電機会が失われるため、「モジュールが稼働しない夜間に測定した方がよい」(長畑課長)。

新製品は、産業用、住宅用ともに対応可能で、重量約500gと持ち運びも容易だ。1ストリングの計測時間は5〜10秒程度。価格は1台あたり税抜き18万円である。

日本カーネルは、太陽電池の模擬電源やIVカーブトレーサー、PCS評価システムを販売している。15年3月期の売上高は前期比10%増の5.5億円だった。今期は横ばいで推移する見込みである。

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