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AGCマテックス、FRP架台累計出荷30MW

(左)FRP架台を使用した発電所例(右)π型垂木で施工を短縮する

旭硝子100%子会社で、FRPメーカーのAGCマテックス(神奈川県相模原市、足立敏一社長)は、今年12月に愛知県で建設される1.5MWのメガソーラーにFRP架台を出荷する。累計出荷は30MWを超えており、今後は海外展開も視野に入れている。

FRPは繊維強化プラスチックの略で、金属に比べて『錆びない・軽量』という特徴を持つ。FRPを使った太陽光架台は、沿岸部など、塩害対策として採用されるケースが多い。愛知県の案件も塩害地域であるという。

同社はこれまで、北九州市の出力約20.5MWのメガソーラーなどの大型案件や、出力10kW程の公共案件向けに出荷してきた。メガソーラー向けは塩害地域などが多く錆びない点が、公共案件向けは学校の屋上などで軽いという点が重宝されている。

しかし一方で、金属系の製品に比べると割高だ。規模にもよるが、メガソーラー向けの価格はkWあたり約1.6万〜2.5万円と、金属系架台の1.5倍もする。部材の価格が金属系より高額なためだ。

そこで同社は、施工性を高め、工期短縮を図るなど、創意工夫を凝らしてきた。

そして開発したのが、「π(パイ)型垂木」を使用したスライド工法架台だ。施工時にパネルを垂木上で滑らせて設置することで、従来のC型垂木品に比べて施工時間を短縮できるという。一部パネルとの取り合いなどで使用できないケースもあるが、メガ向けは主にπ型垂木を使用した製品を出荷している。

同社は神奈川県相模原市の本社工場で架台を製造している。受注生産を敷いており、材料のFRPは一部タイで生産している。「今後は東南アジアへの販売・製造拠点であるタイ工場を活用して、海外展開も視野に入れている」(AGCマテックスの柏女浄照取締役営業統括部長)。

柏女浄照取締役

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