Inside News

松井建設、PPA参入 富山県砺波市で第1号決定

蓄電池も併設

中堅ゼネコンの松井建設(東京都中央区、松井隆弘社長)は太陽光発電設備のPPA(電力売買契約)事業に参入する。富山県砺波市で第1号案件を受注しており、2021年4月にも事業を開始する。

同社はPPA事業用の太陽光発電設備を東部ネットワーク(神奈川県横浜市、若山良孝社長)が富山県砺波市に構える東部北陸物流センターの施設屋根に設置する。太陽光パネル出力153.4kW、PCS(パワーコンディショナ)出力99.7kWの太陽光発電設備と蓄電容量32‌kWhの蓄電設備を設置し、発電した再生可能エネルギー電力を同センターに供給する仕組みにした。PPAの契約期間は運転を開始する21年4月から34年7月までの13年4ヵ月となる。

東部ネットワークの東部北陸物流センター。すでに屋根借り太陽光が稼働中。赤枠が今回のPPA事業における太陽光パネルの設置予定場所

同社は、DMEGC製の太陽光パネルと安川電機製のPCSにエネマン製の蓄電設備を採用。横浜環境デザインにEPC(設計・調達・建設)を委託する。余剰電力を逆潮流させない完全自家消費型の設備にして、環境省が20年度補正予算で計上した『二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』を活用する。

同社は1586年創業の総合建設会社。20年に『ZEBレディ』を達成したビルを建設するなど、環境関連分野にも取り組む。PPA事業を行う東部ネットワーク東部北陸物流センターは同社が建物の建設を請け負ったほか、14年には同社が同センターの屋根を借りて1MWの太陽光発電設備を導入し、FITを活用した屋根借り方式の売電事業を行っている。

同社営業本部営業一部の田口智大営業課長は、「非常時に太陽光発電設備を活用したいという要望もあった」としたうえで、「PPA事業は新規事業かつ社会貢献やSDGs(持続可能な開発目標)にも繋がる取り組みだ」と語る。

事業化にあたっては、同センターの屋根借り太陽光発電所のO&M(管理・保守)を担当していた野原ホールディングスが支援した。PPAにおける契約書のひな型作成、発電量や需要予測などを含む設計支援、補助金の申請支援などを行ったという。

今後は、同社が建設を請け負った既存顧客向けのほか、建物の新設時の提案材料の一つとしてもPPAサービスを活用していく。

Inside News を読む

一覧を見る