丸文、営農型太陽光パッケージのラインナップ強化
『京セラパック』10月発売
エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区、水野象司社長)が営農型太陽光用パッケージシステムのラインナップを拡充した。京セラソーラーコーポレーションと売買契約を締結、京セラ製太陽光システムを採用した新パッケージを10月中旬より販売する。
同社は2013年10月に営農型太陽光用パッケージシステムを発売。営農を継続しながら、農地の一部を一時転用し、太陽光発電事業を行う営農型太陽光発電事業向けの商品で、太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ)、架台・基礎といったシステム機器や施工のほか、機器保証、自然災害や事故、盗難に対する補償、農業委員会などへの各種申請代行もワンパッケージにしている点が特徴だ。
パネルやPCSメーカーは固定せず、パッケージとして販売しているが、パネルは、価格優位性などから中・レネソーラ製、PCSは田淵電機製が主力製品となっていた。
「以前から日本製のラインナップに対する期待や要望もあった。今回、京セラさんからお声掛けがあり、新たに『京セラパッケージ』を開発した」(デマンドクリエーション本部DC第2部第3課の石戸貴雄エキスパート)。
『京セラパッケージ』は、京セラソーラーコーポレーションからパネルとPCSを調達。パネルは、京セラ製多結晶シリコン型270Wタイプを採用する予定だ。その他の構成内容は従来品と同じである。
同社がこれまで出荷した営農型太陽光パッケージは、100セットを超える。関東や関西のほか、九州や四国、東北の一部でも実績を持つ。石戸エキスパートは、「太陽光の設置は、いわば電気の収穫になる。それを維持するためにも、農業を継続するというモチベーションにもなるはずだ」という。
買取り価格が減額され、産業用市場は停滞し始めているが、同課の相馬敦課長は、「営農型太陽光を検討される施主さんは、一般的な野立の太陽光の事業者とは異なり、必ずしも利回りありきではない」とし、「収穫高が高効率な農地ではなく、反収が年間10万円に満たない農地こそやる意味があり、売電収入が農地継続の助けになると思う。ポテンシャルはまだあるはず」と話す。
また同社のパッケージは、特殊なパネルを必要としない。基本的に置き換える形で対応できるため、「営農型を検討されている認定済み案件でも、モジュールを変更せずに当社のパッケージを使える可能性がある。ハードだけでなく、ソフト面でのノウハウもあるので、そういった案件への提案も進めていきたい」(相馬課長)。