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アップルツリー、電力小売りに本腰

通信とセットで3%値下げ

太陽光商社のアップルツリー(東京都港区、西山英蔵社長)は今年9月から高圧電力の販売を本格化した。法人向けに電力と携帯電話のパッケージプランの提供を開始。来年4月の電力小売りの自由化を見据え、営業体制の確立を図る。

同社は昨年7月、特定規模電気事業者に登録し、今年9月から東京電力管内の高圧電力の需要家に電力の供給を開始した。すでに10施設と契約し、電力会社の契約単価よりも3~5%安く販売しているという。

9月18日には高圧需要家に電力と携帯電話通信サービスのパッケージプランを開始すると発表。同プランの利用により、電力料金をさらに最大3%割引して競合他社との差別化を図る。

携帯電話の通信サービスでは、親会社フォーバルの傘下のリンクアップがauの1次代理店であることから、アップルツリーはリンクアップと提携、auの2次代理店として営業する。電気代と携帯電話の使用料の徴収を統合することで管理業務の軽減につなげる。

同社が高圧向けに小売り事業をスタートしたのは、4月に迫った電力小売りの全面自由化を見据えてのこと。今年8月中旬には小売り申請を済ませている。

同社は東電エリア以外にも順次供給エリアを拡大し、16年3月までに1万kWhの電力販売を目指す。

アップルツリーは2010年に創業。当初より太陽光発電システムの販売を軸に売上を伸ばしており、15年3月期の売上高は前期比40%増の60億円だった。今期は70億円強に伸長する見通しで、太陽光事業の売上高は全体の8割を占める。前期のモジュール出荷量は27MW、今期は40MWまで伸ばず予定だ。

東京本社ほか、大阪や名古屋、福岡、札幌に支店を構え、協力販売店は660店に上っている。

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