日立産業制御、パネル監視システム用新ユニット10月発売
初期コスト半減、O&Mツールにも
太陽光パネル監視システムを製販している日立産業制御ソリューションズ(東京都台東区、髙山光雄社長)はこのほど、監視システム用の薄型検出ユニットを開発、10月より販売を開始する。薄型化により、狭小スペースへの設置を可能にしたほか、初期導入コストの大幅削減を実現。O&Mにも役立つシステムとして提案を強めていく。
同社は2013年6月より、パネル単位で遠隔監視を行う太陽光パネル監視システムを市場に投入した。ストリング毎に検出ユニットを取り付け、パネル毎の電圧とストリング電流を測定。検出ユニットから、受信ユニット、データ収集端末を経て、クラウドサーバを通じて遠隔監視を行う仕組みだ。600Vのほか、1000V対応品も揃えている。
相対比較でパネル単位の発電量を監視するだけでなく、独自アルゴリズムを用いて、断線やガラス割れ、バイパスダイオード故障といった不具合の発生したパネルを検出する。直流電力線を通信回線として使用する電力線通信技術を活用しているため、検出ユニットから受信ユニットまでの追加配線は不要。後付けが容易なシステムだ。
今回開発した薄型検出ユニットの高さは、従来品に比べて40~60%減となる60㎜。「屋根とパネルの隙間に収まるサイズなので、屋根置きでの導入が容易になったと思う」(営業本部第四営業部第二グループの阿川隆一部長代理)。
また、新製品は大幅なコストダウンも実現した。工事費を除く初期導入費用は、500kW以上であれば、従来比約2分の1となるW当たり約9円。屋根置き以外でも使える製品であり、価格競争力が増したといえる。
ただし、薄型検出ユニットの防水・防塵保護等級はIP44。耐環境性が求められる場所であれば、IP65の従来品が対応可能だ。
同社のパネル監視システムの13年6月の発売から14年度末までの受注実績は約15MW。今期については、「上期だけで約10MWを受注できた」(同)とし、通期では15MWを超える勢いだ。
阿川部長代理は、「パネル単位の経年劣化や傾向もわかるため、保険や保証を受けるための証拠データとしても使えると思う。O&Mツールとしても有効利用できるはずだ」と語った。