Inside News

電菱、独立電源向けにシャープ製パネル販売

独立型太陽光システムの周辺機器を製造する電菱(東京都荒川区、小林伸一社長)は、9月下旬からシャープ製モジュールの取り扱いを始めた。交通信号機や道路標識など、出力1kW未満の小型電源向けに販売していく。

同社が新たに独立型のモジュールとして扱うのは、シャープが今年7月に製品化した出力265Wタイプだ。変換効率16.1%の60セル単結晶型で、公称最大動作電圧は31.28Vである。

独立型太陽光システムは、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせ、商用電力を使用せずに電力を利用できるシステム。主に交通信号機や道路標識の電源に使われるものは、1~2枚のパネルと、4kWh未満の蓄電池などで構成される小型タイプだ。

基本的にパネルと蓄電池は自由に組み合わせられるが、条件もある。蓄電池に充電するには、少なくともパネルの動作電圧が蓄電池の電圧よりも高くなければならない。

これまで同社が扱ってきたモジュールは、電圧12Vの蓄電池に適応する製品だった。このため、高電圧な蓄電池を使用する場合は、モジュールを直列に複数枚接続して電圧を上げる必要があったが、それによってオーバースペックになり、システムコストが割高になっていた。

そこで同社は割安なメガソーラー向けの製品に着目。なかでも「シャープの製品は動作電圧が高く、電圧24Vの蓄電池に適していた」(小林伸一社長)。

今回の製品は標準価格が税込み10万8000円。外形寸法165.2×99.4×4.6㎝。重量は19㎏である。

小林社長は「今後は独立電源を必要とする海外の無電化地域に、高品質な製品を、価格を抑えて提供したい」と語る。

同社は、名刺サイズの高性能充放電コントローラーを開発するなど、独立電源用の周辺機器を製造している。今年5月期の売上高は前期比微増の6億7000万円だった。今期も同規模で推移する見込みだ。

小林伸一社長

Inside News を読む

一覧を見る