マウンテンフィールズ、小規模太陽光向け遠隔監視10月発売
低価格なパッケージ商品 慶大・山中教授提唱の仮想電力会社を想定
マウンテンフィールズ(東京都港区、山田芳幸社長)は、10月中旬より50kW未満の小規模太陽光発電所向けの遠隔監視システムを発売する。同システムは慶應義塾大学理工学部の山中直明教授が提唱する仮想電力会社向けのプラットフォームを想定したもの。低価格なパッケージ製品として広く提案していく。
同社が発売する遠隔監視システムは、クラウド型のボックスパッケージ製品。PCS(パワーコンディショナ)監視を行うもので、リアルタイムの発電量や累計発電量を確認できるほか、PCSの異常発生時にはアラートメールを発報する。3G通信端末なども含めたパッケージ品であるため、後付けでも設置が容易だ。
同社は以前からメガソーラー向けの遠隔監視システムを開発しており、その技術を活かし、小規模太陽光向けのシステムを開発。「将来を見据えて、EVNOに対応できる機種でもある」(マウンテンフィールズの山田芳幸社長)。
慶大の山中教授が提唱するEVNO(エネルギー・バーチャル・ネットワーク・オペレータ)は、発電所や送電網といったインフラ設備を持たない仮想電力会社のこと。
「例えば、旅行会社だと、高級温泉に行くプランもあれば、安価な温泉に飛行機のエコノミーで行くプランもある。様々なメニューをつくるが、旅行会社は飛行機も旅館も持たない。あくまで組み合わせて提供している。電力もそれと同じ。2016年以降、そういう形が生まれ得る。電力会社は、サービス会社であり、ユーザー毎に工夫をする。それをできるバーチャルなネットワークオペレータをつくろうということだ」(山中教授)。
このEVNOには、高性能なメータリングが不可欠。同時同量を実現するために発電量と消費量を常に把握しながら、自動で粒度の高い制御をかけていくことになるからだ。
今回の遠隔監視システムは、「こういうビジョンのなかでの切り出し商品」(同)。いまは遠隔監視のみだが、EVNOのプラットフォームの役割を担うべく、アップデートできる仕組みを搭載。現在、1分単位でサーバにデータを蓄積しているが、山中教授は1秒単位でのM2Mの動作に関する研究開発を進めており、その対応も想定している。山中教授は、「EVNOは同時同量を実現しつつ、出来るだけ近い地域で安いものを動かしたい。そのためにも、1秒単位で常にメータリングして制御できるようにしたい」という。
山田社長は新製品について、「パッケージ型かつ安価なシステム。EVNOを実現するためにも大量導入を目指したい」と語る。
なお、新製品の名称は、『ピーモンゼット』。