エクセル、PCS検査装置に新機能
パフォーマンスレシオ測定可能に
電子・電気機器用試験器メーカーのエクセル(さいたま市中央区、富樫昌之社長)は9月、輸入販売するPCS(パワーコンディショナ)検査装置の新機能を発表した。PR(パフォーマンスレシオ)の測定が可能になったという。太陽光発電所の新規案件を中心に提案していく構えだ。
PRとは、パネルの設備容量と測定した日射量から理論発電量を算出し、それに対する実発電量の割合を示す値だ。PCSと発電所全体の実力値が一目でわかる。
同社が扱う伊HT社製PCS検査装置は、PCSの入力側と出力側の電流・電圧・電力を測定できる。さらに専用のリモートユニットで、パネルの温度と周囲の温度、日射強度を測ることで、PRとPCSの実際の変換効率、そしてパネルとPCSをつなぐケーブルのロスを表すDC効率を測定できる。
技術部の小林稔課長は「既設の発電所でも有効だが、この装置を使った竣工時検査を推奨している」と話す。
稼働初期のPRがわかれば、その発電所で得られる売電収入や事業性の目途が立つ。定期メンテナンスの際に劣化率が把握でき、機器の交換時期を判断する際にも役立つ。
富樫昌之社長は、「装置の重量は1㎏と軽量だ。PCSの性能を発電所で検査・評価できる製品はこれだけだろう」と話す。
価格は98万円。同社は2010年に同装置を発売し、これまでに約20台販売した。
富樫社長はPR測定機能の追加について、「実際にはあるバージョンからこの機能は備わっている」という。同装置を購入したユーザーのうち、約半数はすでにPR値測定機能を備えたバージョンを所有しているようだ。
現状旧バージョンを所有している場合、同社は無償アップデートに応じるという。
富樫社長は「今後PR値が測定できるメリットを訴求し、来年3月までに、新たに30台販売したい」と目標を掲げた。