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太陽工業、デザイン太陽電池 パーキングエリアに設置

京丹波パーキングエリアに設置されたシースルー型モジュール。地元の名産品がデザインされている

膜構造建築の太陽工業(大阪市淀川区、能村光太郎社長)は6月、模様を描いた自社製シースルー型太陽電池モジュールを京都縦貫道のパーキングエリアに設置した。発電機能を備えた建材として販売を本格化する。

7月18日に開通した京都縦貫道の京丹波パーキングエリアに、同社はデザインを施したシースルー型モジュールを8kW弱出荷した。同モジュールは駐車場からトイレや売店・レストランを結ぶ通路の屋根を覆い、京丹波名産の栗や黒豆、アユなどがかたどられている。

同社はモジュールの製造とともに施工も手がけた。5月中旬に作業を開始し、6月末に完成させた。

TM事業部事業開発営業課の溝辺陽課長は「技術自体は以前からあったが、実績がなく営業しづらかった。今後はPAに設置した実績をもとに提案を強めたい」と語る。

同モジュールの製造フローは、まずモノクロの画像データや写真をレーザー装置で読み取る。カネカ製の薄膜太陽電池セルを受光面側のガラスに蒸着させた状態でレーザーをガラス面から照射し、読み込んだデータをもとにスリット加工を施す。削る面積を変えることによって透過率を調整し、濃淡をつけて模様を浮かべる。

ほとんど削らない透過率1%のモジュールは、120×99.8㎝の大きさで、変換効率が10.11%。透過率10%のモジュールは同8.22%の変換効率である。

同社は1994年から太陽電池の販売を開始。2012年から13年にかけてセルを購入し、自社でモジュール化する体制を整えた。

現在通常のシースルー型モジュールと、デザインを施すタイプの2種を製造している。「窓や天窓、カーテンウォールなど、多様なものと一体化できる点がシースルー型の特徴だ。発電機能とともに、遮熱機能や紫外線をカットする効果もある」(溝辺課長)。

同社はシースルー型モジュールを専用の建具と合わせて22~23万円/㎡で販売する。デザインタイプも価格は変わらない。

今年12月期の太陽電池関連の売上高は、前年比25%増の5億円となる見込みだ。

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