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三井化学、小規模太陽光発電所のオンライン診断開始へ

中古取引向け

三井化学(橋本修社長)は2021年4月より太陽光発電所のオンライン診断を始める。主に稼働済みの小規模発電所を対象にFIT期間終了までの発電量を予測する。中古太陽光発電所の取引量が増え、第三者評価の需要が拡大することを見越して事業化する。

同社は出力10‌kWから1MW程度の太陽光発電所を持つ発電事業者に、オンライン診断サービスを提供する。発電所の所在地や、太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ)などの設備情報、これまでの発電量データなどをもとに将来の発電量を予測し、診断書を発行する。情報入力から診断書発行まで10分程で終えられるようにする。提供価格は検討中だが、年単位など定額制にする方針だ。

同社は太陽光パネルの材料提供で培った知見を活かし、メガソーラーの診断事業を手掛けている。新規開発時のほか、稼働済みの太陽光発電所を売買する際に利用されるケースが多いようだ。これまで約1200ヵ所、5GW規模の診断を行い、うち7割程が中古取引向けだという。

同社新事業開発センターエネルギー・ソリューション室の塩田 剛史室長は、「太陽光発電所の診断は資料作成が大変で、時間もコストもかかる。小規模発電所の売買では診断にかけられる費用が限られるため、簡易に安く第三者に評価してほしいという声があった」と事業化の経緯を話す。3年程前からメガソーラー売買が盛んになり、これから小規模発電所の売買も増えると予測し、同社は事業化に着手した。

他方、同社は20年12月に日本アイ・ビー・エムと共同で太陽光発電所の発電量予測サービスを始めると発表。アイ・ビー・エムグループが持つ高精度な天候データを活用する。主に電力会社やアグリゲータ向けで、インバランスリスクなどの低減に寄与するサービスを提供する。21年度内に国内で事業化し、インドや欧州など海外での事業化も目指す。

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