エリアエナジー、O&M本格参入
今期100MW受注へ
IT関連事業やビルメンテナンスを手掛けるジオネクストの100%子会社、エリアエナジー(東京都港区、足利恵吾社長)が、太陽光発電所のO&M(保守・管理)事業を本格化している。今年3月に監視制御センターを本社内に開設。今期100MWの受注を目指す。
同社がO&Mサービスを手掛けるのは高圧の発電所。監視制御センターでは、24時間365日の遠隔監視と監視カメラでのモニター監視を提供する。遠隔制御に対応した監視システムも実装済み。7月時点で約20MWの受注を獲得しており、完工後順次サービスを開始する。
同社は主にO&Mサービスの仕組み作りや営業活動を行い、実際の管理はジオネクストグループ傘下のビルメンテナンス会社である東環(東京都港区、小町谷毅社長)が手掛ける。
「ビルメンテはジオネクストグループの事業の柱。全国の商業ビルや野球場などの管理・清掃を行ってきた経験を再エネ分野で活かす。東環の清掃の技術力から、特に推奨したいのがパネル清掃。山間部では花粉や埃が付着し発電効率が落ちる。当社の清掃は、独自の洗浄水を噴霧器で噴霧し拭き上げる。給水車や高圧洗浄を必要としないため山間部での作業も容易だ」(エリアエナジーの発電所管理部、岩田伸明部長)。
このほか、同社独自のサービスに地域共生がある。発電所の目視点検を地元の近隣住民に依頼する代わりに業務委託費を支払うというものだ。住民は、不審者や動物の侵入、あるいは不法投棄がないかなど、日常的に見回りを行う。
岩田部長は、「地域住民の理解あっての発電事業。地元との繋がりがあれば、防犯にも役立つ」と延べる。
同社ではO&M以外に太陽光発電のIPPも手掛けている。14年度の買取価格32円で、19ヵ所の発電所を建設する見通しだ。再エネ事業は2015年12月期の第2四半期決算時点で売上計上には至らなかったが、今後再エネ事業を新たな柱に据えていく考えだ。