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GSユアサ、JR福島駅にリチウムイオン電池など納入

太陽光発電を蓄電池で、ピークカットやピークシフト、さらには防災対策を目指す動きが注目を集めている。GSユアサ(京都市南区、村尾修社長)はこのほど、JR福島駅にリチウムイオン蓄電池と、リチウムイオン電池付の太陽光発電用PCS(パワーコンディショナ)2機種を納入。自家消費用や防災用に適した自社製品の提案を強めている。

リチウムイオン電池付きPCS (インバータ容量4.5kW)

同社は今年3月上旬、JR東日本の東北本線の福島駅に容量421.8kWhのリチウムイオン蓄電システムと、リチウムイオン電池付の太陽光発電用PCS2機種を納入。福島駅は省エネや再エネといった環境保全技術を導入する『エコステ』モデル駅の一つで、3種類の太陽光パネルのほか、蓄電池や地中熱ヒートポンプ、電気自動車充電器、LED照明やエコ表示板が導入された。今回、同社は三菱電機とタイアップ、蓄電池などを納入した。

リチウムイオン蓄電システムは、JR福島駅西口側に設置。西口そばの新幹線ホーム屋上には、軽量型太陽光パネルが導入されている。太陽光システム用及び蓄電システム用PCSはTMEIC製。

一方、乗換跨線橋付近には、有機薄膜太陽電池とインバータ容量4.5kW、蓄電容量4.22kWhのリチウムイオン電池付PCS、東口側には、結晶系太陽光パネルとインバータ容量50kW、蓄電容量67.5kWhの機種が設置されている。

電池メーカーである同社は、防災対策などを目的とした蓄電池対応型PCSにいち早く着手。2000年頃には蓄電池専用や太陽光併設にも対応できるPCS『ラインバックΣ』シリーズを投入。05年頃からは、蓄電池付小型PCS『パワーソーラー』シリーズも揃えた。

「両シリーズとも、鉛電池とリチウム電池に対応可能だ。それぞれ600セット以上の納入実績がある」(新エネルギー推進本部事業推進部の摺木省治部長)。

現在のラインナップは、前者がインバータ容量10~50kW、リチウムイオン電池容量16.9kWh(鉛電池の場合16.8kWh)~。後者がインバータ容量4.5kW、リチウムイオン電池容量4.2~12.6kWh。パネル容量や停電時に使う負荷、ピークカットする出力などによって、インバータ容量を選べるのが特徴だ。

これらの導入目的は、FITを活用した売電ではなく、BCP含めた防災対策や、ピークカット・ピークシフトによる電力料金の削減効果。環境省のグリーンニューディール基金を活用した地方自治体による防災拠点への蓄電池などの導入が今年度にピークを迎えると言われており、堅調な需要があるマーケットだ。

摺木部長は蓄電池付きPCSについて、「新たにインバータ容量100kWタイプの今夏投入を目指している」としたうえで、「今回の鉄道駅のような公共インフラ拠点や公共施設のほか、集合住宅や公民館、老人福祉施設など、必要な規模に応じた非常用電源として活用してもらえるはずだ」と語った。

リチウムイオン電池付きPCS(インバータ容量50kW)

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