フジクス、メガソーラーの洗浄サービス開始
ビルやマンションの高圧洗浄を行うフジクス(神奈川県川崎市、細田次郎社長)が8月からメガソーラーの洗浄を始める。昨年からハンドガンや掃除ロボットで中小発電所の太陽光パネルの洗浄を実施。メガソーラー用の洗浄装置を開発してサービスを本格化する。
同社は産業洗浄技能士を110人以上抱え、産業設備や建築物の高圧洗浄を手掛けている。太陽光パネルの洗浄を始めたのは、「鹿児島県で太陽光発電所を運営する企業から、火山灰でパネルが汚れ、出力が落ちているという相談があった」(同社の高木和己執行役員)からだ。自社の技術を応用して2014年4月からサービスを開始し、低圧発電所や高圧発電所でこれまで20件ほど実施した。
野立て案件など人が入れる場所では、主に伸縮式の特殊洗浄ガンを使用し、工場の屋根上など作業環境の悪い場所では、リモコン型の洗浄ロボットを使用する。3人1チームで4tの給水車を使用した場合、1日5時間の作業で200kWほどのパネルを洗浄する。料金は1日30万円程。ただし、敷地面積や設置場所によって1日の処理量は変わる。ロボットはパネル設置角度20度まで対応できる。
高圧洗浄用の機器の販売を求められることもあるようだが、高木執行役員は、「経験がない者が作業をすると事故が起こる可能性もある。我々が責任を持って洗浄サービスを提供する」と方針を語る。
その同社は、このほど大規模発電所用の洗浄装置を開発し、8月中旬からメガソーラーの洗浄サービスを試用的に開始する。
パネルの上面に幅1mほどのガイドレールをセットし、機械を移動させながらパネルを洗浄する。機械の移動方法には同社の技法を用いた。
「下向きに噴射する水の勢いを利用する上向き洗浄という工法を使う。レールも容易に移動することができるので、1日の処理量が増え、コストダウンに繋がる。メガソーラーは比較的地面が平らなところが多いので、効率重視の発想からこの方法を開発した」(同社の竹之内英取締役)。
16年4月期の太陽光洗浄サービスの売上は4000万円を見込んでいる。