インフォミクス、低圧向け遠隔監視装置80台出荷
電力の可視化機器を販売するインフォミクス(三重県四日市市、尾崎友則社長)は、昨年12月に発売した遠隔監視装置を7月末までに80台出荷した。割安な製品を低圧発電所向けに提案し、実績を伸ばしている。
同社は2010年に創業し、12年に『電力見える化本舗』というブランド名で家庭の電力消費電力量をモニタリングする機器を発売。14年12月には同ブランドで低圧発電所向けの遠隔監視装置を製品化した。
同社の製品は発電量のみを測るシンプルなつくりで、1日の発電量を1時間ごとに把握できる。分電盤や集電箱の主幹ブレーカに付けたCTセンサで交流電流を測定し、電圧を掛け合わせて発電量を計算する。3G回線で1日に1度ユーザーにメールで通知し、月に1回月間データをCSVファイルで送信する。
機器の価格は税別9万9800円。回線・サーバ利用費は1年あたり税別で1万2000円から。
尾崎友則社長は「業界最安値を目指して必要な機能だけに絞った。装置には設置後の累計発電量を計算する機能もある。ユーザーには20年間のデータ管理を保証していないが、その分サーバ管理費が下がることも、低価格化に寄与している」と語る。
同社はオプションで、発電量がゼロになった際にメールで警告する機能や、パソコン、スマートフォンから発電量の推移をグラフで閲覧できる機能をつける。なお同装置はこれまで累計65台出荷した。
一方、今年5月には、PCS(パワーコンディショナ)単位で発電量を監視でき、従来品のオプション機能を標準搭載した上位モデルを発売した。分岐ブレーカにCTセンサを取り付ければ、最大18台のPCSを監視できる。機器一式で税別18万5000円。回線とサーバの利用費は年間1万9200円(税別)になる。ただし機器の故障時には同社が無償交換に応じる。これまでに15台販売した。
尾崎社長は「低圧を攻めつつ、100~500kWの高圧向けの新製品を開発したい」と展望を語った。