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関西パイプ 、沿岸部・積雪地に金具や架台を積極提案

(左)ハイブリッド架台 (右)アルミ製のハゼ屋根用取付金具

産業用太陽光発電所向けに金具と架台を製造する関西パイプ工業(大阪市平野区、上岡弘晃社長)が、沿岸部や積雪地への提案を強めている。昨年11月、塩害地向けに2つの新製品を発売し、今夏にも積雪地に建設予定のメガソーラーへ架台を供給する。

同社は昨年11月、ハゼ屋根用のアルミ製取付金具と、地上設置用のハイブリッド架台を発売した。

アルミ製のハゼ屋根用取付金具は耐食性に優れ、重量が1個あたり330g。同社は、新製品は従来品に比べて荷重に対するすべりにくさが増し、地震や台風、積雪にも強くなったという。今年10月の決算期までに約1万個の販売を見込み、来期は2万個の出荷を目標に掲げている。

ハイブリッド架台は、アルミを基本の材料とし、前桁と呼ばれる架台でもっとも負荷がかかる横に伸びる通し材に、高耐食溶融めっき鋼板を使用した複合架台だ。陸屋根への設置も可能。同社はもともとアルミ製架台を製造しているが、新開発のハイブリッド型は耐食性と耐久性を兼ね備えた製品になったという。

製造部課長TCIチームの今春琢巳氏は、「屋根、地上ともに内陸向けの出荷が減り、今後は外海に近い場所への出荷が増える。塩害地区は錆が発生しやすいから、アルミ製を揃えた」という。

また同社は積雪地向けに、高耐食溶融めっき鋼板製架台の出荷を強化していく。今春氏は「積雪地に太陽光発電所を建設したいという見積りが増えてきている」と話す。同社は今年9月、豪雪地帯である滋賀県長浜市に建設予定のメガソーラーに架台の納入を控えている。設備容量は2.5MWだ。

今春氏は「積雪地向けの架台は雪の荷重に耐えるため、全体的に鋼材のサイズを大きくしなければならない。基礎を増やして補強する場合もある。また、雪にパネルが埋もれてしまわないよう、地面からパネルまでの高さも確保する必要がある」といい、「コストはかかるが一定の需要が見込める」と語った。

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