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環境資源開発コンサルタント、水上架台3.6MW出荷

メガソーラー2件に納入

同社の水上フロート架台

水上太陽光発電用にフロート架台を製造する環境資源開発コンサルタント(大阪市都島区、金城義栄社長)は、今年2件の水上メガソーラーへフロート架台を供給。累計出荷実績は3.6MWに達した。

同社は2012年からフロート架台の開発を手掛け、13年に製品化した。今年3月には兵庫県稲美町の琴池に1.7MW分の架台を供給し、同町の2号池にも1.76MW出荷。現在メガソーラーのプロジェクトを複数抱えている。

フロート架台の大きさは5m×5m。フロートは厚み16㎝の発泡スチロール素材で、その上に架台を組み、9枚のパネルを並べる。メンテナンスがしやすいようパネルの間に通路を設けている。

発砲スチロールは、道路や土地の造成で盛土の土代わりに使われるほど耐久性がある。ただ紫外線に弱く、縮むため、同社はフロートの上をケイ酸カルシウム板で、水に浸かる側面はアルミ板で覆った。

また水に悪影響を与えないために、発泡スチロールの原料には食品量販店で使用される食品衛生A基準をクリアしたものを採用したという。

同社のフロート架台は4tの浮力があり、「成人男性が40人乗っても沈まない」(金城義栄社長)。発電所が風で飛ばされないように、フロートは水底にアンカーを打ったり、重しを沈めたりして係留する。フロート同士は両サイドをリング上にした30㎝の鉄の棒を使い、軟結合で固定する。

金城社長は「安定性、安全性には自信がある」と胸を張る。

しかし、「架台を買ってくれる人がいなければ売れない」(金城社長)。そこで同社はフロート架台の製造と同時に池の確保に動いた。兵庫県を中心に100ヵ所の池を調べ、電柱の位置や池の形状、日照条件などを調査してピックアップした。

さらに池の所有者に貸し出しを提案し、関西電力に系統連系の可否を確認。事業性の高いものから設備認定を取得した。そして事業の運営を望む企業や個人に、水上太陽光事業の権利と合せてフロート架台を提案している。

金城社長は「野立ての発電所は、太陽光パネルを設置した土地をそれ以外の目的で使用するケースは少ない。しかし水上であれば、農業用水の供給といった目的を損なうことなく発電事業ができる。森林を伐採する必要はない。ため池の有効活用になり、池の所有者の収入源にもなる」と水上太陽光のメリットを語る。

同社は現在、他の再生可能エネルギー開発に関するコンサルタント業務も行っているが、「将来的には水上ソーラー事業を切り離し、独立させようと考えている」(金城社長)。

金城義栄社長

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