WQ、家庭用独立電源システム拡販へ
再エネ専門商社のWQ(東京都中央区)が、家庭用独立電源システムの販売に力を入れている。代理店の募集を開始し、既に10台ほど出荷。今年度は110台の販売を目指す。
同システムは、住宅用太陽光システムと蓄電システムで構成される。蓄電システムは慧通信技術工業社製で、一般的な家庭用蓄電池と違い、充放電が同時に行える。カスタマイズも可能だが、基本パッケージは出力6kW、充電容量8kWhとなっている。
オフグリッドを前提に開発したBMS(バッテリーマネジメントシステム)による急速充電能力も特長のひとつで、太陽電池4kWであれば晴天時は約2時間で満充電できる。
オリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しており、1万回以上の充放電を可能とし、想定寿命は20年。「病院など、停電や災害時に電気が必要となる場所に向けて販売を強化していきたい」(WQの中西晃一取締役)。
販売価格は約700~800万円としている。現在、補助金の対象とはなっていない。
13年5月に設立した同社は、主に低圧・住宅向けに、太陽光パネルなどの設備を販売している。14年3月期の売上は約10億円、15年3月期は35億円だった。今期は30億円を想定。現在は、2MW未満の自社発電所の開発にも着手している。
主な取扱いパネルはノルウェーのRECソーラー製で、7月にはRECパートナープログラムメンバーとして認定された。これまでに同社製を31.3MW、12万2000枚販売している。
今後について、シュテフェン・シュトゥデニー代表は「FIT価格が下がるなか、将来的には独立電源システムの需要が増えてくると思う。ただ、メガソーラー開発がまったくできなくなるということではなく、場所によってはこれからも太陽光発電所の開発も可能で、我々も積極的に展開していきたい」と語った。