タカシマ、IPPに参入
太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)を手掛けるタカシマ(大阪市淀川区、高島勉社長)が今夏より発電事業を開始する。7月20日、京都府で初の自社保有発電所を運開し、8月には北海道内2ヵ所で発電所を竣工する。IPP(独立系発電)事業を推進し、業容拡大を目指す。
同社は1997年の創業当初から太陽光発電所の施工を請け負い、2009年から設計も始めた。FIT制度の開始により、「それまで5000万円ほど」(高島勉社長)の売上高が、13年10月期には10億円に増加。昨期は14億円で、今期も16億円に伸長する見通しだ。
同社はこれまで主に屋根上への施工に取り組み、13年は3MW、14年は4MWの実績をつけた。今期は地上設置の発電所を中心に施工実績は7MWになる見込み。施工のみの依頼が増えたという。
しかし高島社長は、「これからは施工の受注量は頭打ちになるだろう」と予想し、安定収入を得るべく、IPP事業を始める構えを示した。
京都府福知山市で開発していた250kWの太陽光発電所が竣工し、8月中旬には北海道勇払郡の350kWと500kWの太陽光発電所が相次いで運開する。9月からは千葉県印西市で1.2MWの太陽光発電所の建設に着手、来年1月末に完工する予定だ。
高島社長は「年間約1億円の収入を確保しつつ、技術向上のため、データを収集し、施工や保守のノウハウを蓄積する。それに自社発電所を運営すれば、営業で提案しやすくなる」と話す。
太陽光発電の買取り価格が減額されるなか、EPCへのコスト要求は強まっているが、高島社長は「工事の質を落としてしまうので人件費を削らない」とし、「良い商品を低価格で仕入れなければならない。O&M事業に力を入れ、蓄電池を扱う。小水力発電や小規模な風力発電など、他の再エネにも目を向ける」と方針を述べた。