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ネグロス電工、太陽光電源の浄水装置発売

災害時は雨水などを飲料水に変える。ウォーターサーバー用のボトルも入る

電設資材メーカーのネグロス電工(東京都江東区、菅谷三樹生社長)は今春、太陽光発電で動く蓄電池内蔵浄水装置の販売を開始した。通常時は水道水を、災害時は雨水などを飲み水に変える。価格は本体が350万円、太陽電池と施工込みで400万円ほどになるという。防災拠点向けに年内20~30台の出荷を目指す。

同製品は活性炭や逆浸透膜などを使って水を浄化する装置。塩素やカルキ臭に加え、細菌やウイルス、放射性物質などを除去できる。

200W以上の結晶系太陽電池で作動する。天候が悪く、太陽電池が発電しない時は、製品内蔵の蓄電池に貯めた電力を活用する。満充電している場合、浄化する水の違いから、通常時で連続14時間、災害時は連続9時間の作動が可能。水温25℃であれば、1分間に2ℓの水を浄化できる。

開発のきっかけは東日本大震災。同社の太陽電池と蓄電池を一体にした独立型太陽光システムと、環境向学の家庭用浄水装置を組み合わせて宮城県に寄贈した。南三陸町の川の水を浄化し、5ヵ月ほど活用した。その実績を踏まえて一体型の製品として、両社で共同開発に踏み切った。

「災害時に使用するという観点から、太陽電池1枚で使用できるというところにこだわって作った」(ネグロス電工特販営業部の小西祥司部長)。現在は総販売元がネグロス電工、製造会社が環境向学としている。

販売から数ヵ月が経過、市場の反応について小西氏は、「太陽電池1枚で動き、電圧関係なく世界中どこでも使えるため、現地に日本人がいる海外工場などからの引き合いも多い。いまはメンテナンスの都合上、海外出荷は難しいが、今後検討していく」という。なお、同製品は活性炭フィルターが1年、逆浸透膜フィルターと蓄電池は3~5年が交換時期の目安である。

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